June 03, 2007

原画マンと動画マン

ひとくちにアニメーターと言っても、原画マンと動画マンに分かれる。マンをつけるのは、映画業界で撮影マンとか編集マンと言うように、専門職を指すことからきてるんで、「男」の意味じゃない。どちらかと言うと「職人」のニュアンスかな。

世間では原画=オリジナルの直筆画、動画=アニメーションって意味なんだけど、業界ではちょっと違う。簡単に言うと、原画は動きの元になるラフ画、動画は原画に中割りを加えて清書された線画のこと。原画マンは絵コンテに従って原画を作画し、タイミングを決める。動画マンは原画を清書して、タイミングに従って中割りを描いて、動画として完成させる。原画マンも動画マンも、動画用紙に鉛筆で作画する。

アニメーターとして採用されると「新人」と言われる。新人と言っても日本中から絵の巧いやつが集まってるわけで、「絵が描ける」という特技は何の自慢にならない。アニメーターは絵が描けて当たり前なので、その先のスキルが生き残れるかどうかに関わる。
研修を経て、動画マンになる。1年もてば「ベテラン」と言われる(笑)。その頃には多くの新人が淘汰されているはずだ。新人のうちにアニメーターとしての資質を見極め、「向いていない」「才能がない」場合は、辞めるから。その判断は自分で決めることもあれば、先輩原画マンや社長が宣告することもある。

動画のキャリアを積み、実力が認められたら原画にステップアップするチャンスが与えられる。または、動画より原画向きと判断される場合もある。ずっと動画専門でいく動画マンもいる。動画の仕事に向いている人や、主婦業を兼業しててマイペースで働きたい人は、原画にはならず動画のままだ。動画マンは原画マンのアシスタント的に見えるかもしれないが、実は立派な専門職だ。ベテラン動画マンだと、上がってきた動画の検査や修正をする「動画チェック」の仕事もある。同期の動画マンの中では、生き残り競争の次にくるのが原画昇格の競争だ。目安は月1000枚を達成するか、2年の動画経験だ。最近は1年みたいだけど。

原画になったら、最初からまとまった仕事を任されることはないので、動画の仕事と並行して行う。原画は動画と違ってゼロから描き始めるので、クリエイティブなんだけど、自分の画力やセンスがモロに出るので、「天才アニメーター」でなければスランプに陥りやすい。他の原画マンとの競争も激しい。キャリアよりも実力の世界なんで、「巧い」「スケジュールを守る」「得意分野」で評価される。

原画マンの仕事は原画だけじゃない。「作画監督」いわゆる作監は、原画マンを統括するポジション。原画から昇格してなるんだけど、原画向きな人と作監向きな人に別れる。作監チェックは、原画マンの描いた原画に修正用紙を被せて修正したり、原画マンが上げてきたレイアウトをチェックしたり。劇場用なんかでは、「総作監」や「作監補佐」を立てて、作監チェックを分業することもある。

「キャラデザイン」はアニメ用のキャラ表を仕上げる仕事。作監クラスで、しかも実力がないとやらせてもらえないし話もこない。「絵コンテ清書」は絵が描けない演出家が切ったコンテを清書する仕事。絵だけでなく字も読めるように清書する。演出は絵が描けなくて当たり前の時代もあったが、字も読めないのは始末が悪い。

稀だけど「版権イラスト」の仕事もあったりする。ポスターやグッズなど、印刷物がメイン。アルバイト感覚でいいギャラもらえるのでありがたい。

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Posted by A.e.Suck at June 3, 2007 02:42 PM





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