2000
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[ ホワット・ライズ・ビニーズダイナソーピッチ・ブラッククレイドル・ウィル・ロックシャフトチャーリーズ・エンジェルスペース・カウボーイインビジブルバトルフィールド・アースX-メンマルコヴィッチの穴U-51760セカンズワンダー・ボーイズ最終絶叫計画タイタンA.E.英雄の条件サイダーハウス・ルールパーフェクト ストームミラクル・ペティントグラディエーターM:I-2インサイダーナインスゲートロミオ・マスト・ダイスティグマータ/聖痕ミッション・トゥ・マーズマン・オン・ザ・ムーンアメリカン・ビューティーグリーンマイルイグジステンズアイアン・ジャイアントボーン・コレクターマーシャル・ロースリー・キングスストレイト・ストーリースクリーム3救命士U.M.Aレイク・プラシッド遠い空の向こうにトイ・ストーリー2スリーピー・ホロウマグノリアアメリカン・ヒストリーXクッキー・フォーチュンブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブノイズ13ウォリアーズワールド・イズ・ノット・イナフファンタジア2000季節の中でターザンエンド・オブ・デイズ ]

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6/22/みゆき座(DolbyDigital) The Insider
インサイダー
('99),158min.★★★
Touchstone Pictures & Spyglass Entertainment presents, a Mann/Roth Productions, a Forward Pass picture, a Michael Mann film

TBSでやってるP.バラカンの「CBSドキュメント」秘話。ナインスゲートの主人公も愛用してたLucky Strikeで知られる大手タバコ企業、B&Wを内部告発するラッセル・クロウ。それを人気報道番組で扱ったが真実を隠そうとしたCBSを内部告発したアル・パチーノ。O.ストーンならドキュメンタリー風にしちゃうところを、インサイダー2人の葛藤と闘いを描く男のドラマに仕上げてるあたり、マイケル・マンらしい視点でぐいぐい引き込まれる。ありがちなんだろーけど、表に出ることはない話なんで危険度満点。しかもつい数年前の実話だってゆー身近さ。製作費は6800万ドル。クロウが法廷での証言を終えて帰宅し、もぬけのカラとなった室内を歩き回るシーンは泣いた。これもヒーローの一面。とにかくラッセル・クロウが素晴らしい!

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6/21/銀座シネパトス1(DolbyStereo) The Ninth Gate
ナインスゲート
('99),133min.★★★
Artisan Entertainment presents, a R.P. Productions / Orly Films / TF1 Films Productions, a film by Roman Polanski , SFX:Duboi, Eclair Numerique, Effets Films, Mikros Image, Sony Pictures Imageworks

すいこまれるような気持ちイイタイトル。映画の舞台とか、物語進行なんかがやけにそれっぽくてよい。建物とか風景とか部屋とかのビジュアルがとにかくいい。いいロケするなぁ〜。設定もJ.デップの目的も視覚的でわかりやすい。3冊の本、9枚の版画。最近の悪魔系オカルト映画や主人公のめりこみ系の中じゃ、最高の出来でしょう。次々と人が死ぬのも暗示的で、興味津々。ネタバレを辞さないほど明快。さすがポランスキー。謎の美女なんて要素としちゃ絶妙ですな。ぶわぁ〜っときたり、時にはスンゴイ表情見せたり。これで製作費3800万ドルとは立派。

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6/11/渋谷東急(DolbyDigital) Romeo Must Die
ロミオ・マスト・ダイ
('00),115min.★
Warner Bros. presents, a Silver Pictures Productions, Directed by Andrzej Bartkowiak, SFX:Manex Visual Effects

見所は2つ。バックに中国語をフィーチャしたオープニング・タイトル、デロイ・リンドの安定した演技。あと、いいシーンもある。ジャンプしたバイク、ベンツを飛び越しざまにイングラムを乱射して穴だらけにするカット。これに尽きる。主演はリー・リンチェイに毛が生えたジェット・リーだが、ジャッキー以上におぼこすぎるわ。香港の刑務所を脱走して旅客機で堂々と米国入りって、何でそんなカンタンに入国できるん!製作費2500万ドル、ManexのサイトにはVFXの概要があるけど、衝撃をスケルトンで描写するってのは斬新かー?

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6/1/ニュー東宝シネマ1(DolbyDigital) Stigmata
スティグマータ/聖痕
('99),102min.★
MGM Pictures presents, a FGM Entertainment Productions, a Rupert Wainright Film, SFX:Dream Quest

製作費3200万ドルで、久々のオカルト大作って感じだったんだが、期待したほどじゃないなー。話は悪くないし、カトリック物でバチカンまでからんで大げさな内容の割に、見たようなイメージや使い古しのネタも目立つ。G.バーン神父の科学的解明ってのも大したことなくて、ただ写真撮って録音して、記録係かっつーの。ねーちゃんのからだから血が噴き出して(キリストの処刑とシンクロ)いい感じなんだが、それ繰り返してばっかし。なんで輸血しないのかも不思議。逆回しとか細かいことやってんだけどねー。タイクツしない代わりに怖くもない。スーパー35で撮って、35のアナモフィックでプリント。USではR指定。

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5/27/渋東シネタワー2(DolbyDigital) Mission to Mars
ミッション・トゥ・マーズ
('00),114min.★★★
Touchstone Pictures / Spyglass Entertainment presents, a Jacobson Company Productions, a Brian De Palma Film, SFX:Dream Quest Images, ILM, CIS Hollywood, The Secret Lab, Tippett Studio

祝!デ・パルマ初SF、製作費なんと9000万ドル!しかも初の火星ロケ(嘘)。脚本は金城哲夫かと思ったら(嘘)、グラハム・ヨストが入ってた。まぁ、彼が書いた部分は想像がつくけど。まずはステディ・カムの長回しで登場人物一挙紹介。舞台は一気にデ・パルマ版2001年ワールド!ただしコンピュータはsgi。コンピュータボイスは最悪だけど、ネジの目立つパネル類はGood。セリフでの説明が多すぎて、わかりやすいのなんの。中盤はまさかの主役交代!G.シニーズは怪しい役でない(ホント)。ウルトラセブン世代に贈る、学校じゃ教えてくれない火星の秘密。娯楽要素も多くて気楽に楽しめるSFの詰め合わせ感は、劇中でも引用されたフラッシュゴードンのノリなんだろう。

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5/25/東宝東和試写室 American Beauty
マン・オン・ザ・ムーン
('99),118min.★
Universal Pictures / Mutual Film Company presents, a Cinehaus / Jersey Films Productions, Directed by Milos Forman

ミロス・フォアマンはカッコーアマデウスも好きなんだが、これはちょっとなぁ、日本人にはわかりにくすぎる。かなり忠実らしいが、芸人アンディ・カフマンを知らんし、番組も知らんのばっかし。だからジム・キャリーがそっくりなのかどーかもわからん。芸風としては信じがたいもので、感情移入できんし、笑えないネタが多すぎる。カーネギーのミルク&クッキーのエピソードを除いて共感しかねる。本人役のJ.ローラー&J.ロスのWWF実況コンビは嬉しい。ボディビルの百恵ちゃんも出てた。5200万ドルもの製作費はどこへ?

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5/22/丸の内ピカデリー1(DolbyDigital) American Beauty
アメリカン・ビューティー
('99),122min.★★★★★
Dreamworks Pictures presents, a Jinks/Cohen Company Productions, Directed by Sam Mendes, VFX:CFC/MVFX, Pacific Title Research

批評家受けのいい映画は肌に合わないんだが、この映画は違う。冒頭からその予感がこみあげる。普通を装った人達が、物足りなさを埋め合わせしようとするコメディ。人間のインチキ浮き彫り状態。特にK.スペイシーのキャラが立ってる。娘の同級生とコーマンしたい一心で、がんばる姿が楽しくも哀しい。A.ベニングもしゃべくり熱演、ハリウッドの星一徹ことC.クーパーは遠い空のに続いて厳格な父親を好演。それぞれの人物にそれぞれ物語があって、それぞれ足りない何かを求めてる。それを手に入れ、崩壊していく様。最後に収束する見事な構成!思わず自分の膝叩いちゃったね。ビデオオタクの部屋のモニタやゾンバイオ死霊のしたたりの引用も巧み。誇張の演出も巧い。製作費わずか1500万ドル。

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5/17/渋東シネタワー(DolbyDigital) The Green Mile
グリーンマイル
('99),188min.★★★
Universal Pictures / Castle Rock Entertainment presents, a Darkwoods Productions, Directed by Frank Darabont, VFX:Matte World Digital, Pacific Ocean Post, Rhythm & Hues, ILM

死刑囚の名はジョン・コフィー。コーヒーとはスペルが違うよ。彼が他の人と違ってるのは体の大きさじゃない。不思議な力があるの。心の優しいいいヤツなんだ。あぁ、それなのに、死刑だなんてそれは辛い。ジョンがかわいそうすぎる。あの不思議な力でなんとかできんもんかね。しかし、あの口からもぁ〜ってのは何なんだ?口移しのシーンはスペースバンパイアかと思った。トップハットがつなぐ現在と過去。役者も巧いのが揃ってるし、キング得意の細かいエピソードの積み重ねも見応えあるけど、ファンタジーとしては「ショーシャンク」のような暖かさが欲しかった。ジョンのでかさにも違和感を感じた。製作費6000万ドル。

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5/3/丸の内ピカデリー2(DolbyDigital) eXistenZ
イグジステンズ
('99),97min.★★★
Alliance Atlantis presents, a Natural Nylon Entertainment / Serendipity Point Films production, Directed by David Cronenberg, VFX:Toybox

クロネンバーグを最初に観たのはラビッドだったから、もー20年のつきあいになる。今回はこれぞクロネンバーグって作品で安心。ビデオドローム裸のランチ路線。仮想現実なんて、クロネンバーグ得意の世界だし。生きてるゲーム機を脊髄につなぐ。このゲーム機のコンセプトと、背中のポートがクロネンバーグしてて嬉しい。思い切りこの人の想像力の恩恵に預かろう。またヘンな生き物でてくるし。ビッグ・モローの娘とガタカの子が主演で、内容的にはかなりとっつき易い方。ストーリーにはいくつかオチがあって、虚構と現実の区別も明確で後味もいいし。製作費3100万カナダドルにおさえるあたりもさすが。

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4/25/ワーナーマイカル新百合ヶ丘(DTS) Iron Giant
アイアン・ジャイアント
('99),86min.★★★★★
Warner Bros. Pictures presents, a Warner Bros. Animation production, Directed by Brad Bird

物語のモチーフが、王道フォーマットを踏襲してるんで泣ける。フランケンシュタインキングコングE.T.、みんなそう。これこそアニメでとりあげるべきテーマ。こんなロボットと友達になれるなんてなんと素敵なこと!「だめだ〜ジャイアントを攻撃しちゃだめだ〜」スクリーンに向かって叫んでしまいそうになる。「ジャイアント・ゴー、ホーガース、ステイ」あぁぁぁ〜もうだめ〜、ラストなんてぐんぐんぐんぐん…だぁ〜ン!だもん!オーソドックスな作風だけど、もののけ姫よりずっと良心的だし楽しめる。アニメーションとしては特に優れてるわけではないけど、今風の手法を否定してて、キャラの主線がハンドトレス風ってのもこだわりやね。セルのFAXが酸化した感じもするけど。何よりもJ.ジョンストンによる50年代のパルプマガジンの表紙みたいなジャイアントのデザインが秀逸で、フォルムもディティールも素晴らしい。ロングでもアップでも絵になるし、親しめるし、大好きになる。でもジャイアントが3DのCGIってのはありがたみがねーな。ヒーロー像がスーパーマンってのはワーナーならでは。フライシャー版スーパーマンの曲を引用してるのも泣かせる。製作費4800万ドル。

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4/18/渋谷パンテオン(SDDS) The Bone Collector
ボーン・コレクター
('99),117min.★
Columbia Pictures and Universal Pictures presents, a Bregman production, Directed by Phillip Noyce, SFX:Computer Film Company

こちらもデンゼル・ワシントン主演だが走りまくりのマーシャル・ローとは対照的な寝たきりデンゼル。ハイテクを駆使した科学捜査なんだが、なんでビデオを使わず、婦人警官をコキ使っちゃうかね。デンゼルはクイズ王になれそうなくらい物知りすぎ。そのワリには犯人よりも後手後手で、実は大して活躍してない。製作費4800万ドル

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4/18/渋谷東急(Dolby Digital) The Siege
マーシャル・ロー
('98),117min.★
20th fox presents, a Lynda Obst production, a Edward Zwick film, SFX:Full Scale Effects, Moving Target

NYでテロ続発、何百人も死んで、FBI、CIA、ARMY、NYPD動員の大袈裟な話。シチェーション的には好きだな。見物はブルックリンの戒厳令。うーん、ここまでするか?でも大袈裟なのはいいことだ。ヘリが飛び交い、町に軍隊があふれ、絵的にはまずまずのスケ−ル。製作費7000万ドル。最後にいいとこ見せるのはデンゼル・ワシントン以下のFBI。でも、爆弾を着込んだテロリストをバンバン撃っちゃっていいのか?

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4/9/丸の内ピカデリー1(Dolby Digital) Three Kings
スリー・キングス
('99),115min.★★★
Warner/Village presents, a Coast Ridge Films/Atlas Entertainment production, a David O.Russell film

湾岸戦争を舞台にした金塊強奪アクション。ほとんどがロケだけど、プライベート・ライアンみたいにシャッタースピードを早くして撮影してるから、ドキュメンタリーっぽいリアリティがある。そこから得られた彩度抑えめの色調が抜群にいい。戦場っぽいな。逆に屋内シーンが浮いてしまうほど。戦後ってことで、状況は緊迫感より安堵感があって、コミカルで楽しい。悪党になれず、難民に情が移っちゃうあたりがかわいい。製作費4800万ドル。

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4/9/丸の内ピカデリー2(Dolby Digital) The Straight Story
ストレイト・ストーリー
('99),111min.★★★★
Alain Sarde presents, a film by David Lynch

N.ロックウェルの絵みたいな爺さんがいい。映画はこの爺さんのペースでゆったりと流れる。人の興味をひくだけでなくて、その1言1言に耳を傾けたくなる。台詞も最低限。言語障害のあるS.スペイセクが一番しゃべる方。まるで北野映画みたいなスケッチだ。でもやっぱ町や人物描写なんかはリンチっぽい。ノコギリ、つかみ棒、鹿の角、消火訓練、双子の修理工…空撮もいい感じ。孫の世代、子供の世代、同世代と巡り会い、言葉をかわす。やっと兄に会うが、H.D.スタントンもくたびれたトラクターを指して「あれで来たのか」と1言。くぅ〜ここまで抑えられるんか〜すげ〜!

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4/8/渋谷パンテオン(SDDS) Scream 3
スクリーム3
('99),117min.★★
Miramax-Dimension Films presents, a Konrad Pictures/Craven-Maddalena Films production, a Wes Craven film

1作目はルール作りに製作費1500万ドル、2作目はルールを変えるのに2400万ドル。そして3作目はルールを壊すのに4000万ドルも使った。どこにそんなに使っとんねん?たぶんN.キャンベルのギャラが高騰したんだろう。でも、完結編が物足りないのはケビン・ウィリアムソンの不参加。確かにヤツは超売れっ子ライターになったけど、忙しすぎて…てのは怪しい。ギャラか条件でモメたんじゃないかなー。スクリームは独自のホラー解釈の妙が活きたケビン・ワールドでだから楽しめるわけで、いくら監督がウェスでも、他人のホンじゃ満足いくものにはならんね。キッカケの度に「どぅるりん!」って効果音は笑える。C.フィッシャー、R.コーマンの出演が嬉しい。ところで、プログラムは凝りすぎで、かえって読みづらい。

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4/8/渋谷東急(Dolby Digital) Bringing Out the Dead
救命士
('99),121min.★
Tochstone Pictures& Paramount Pictures presents, a Scott Rudin-Cappa/De production, a Martin Sccorsese Picture, VFX:ILM

マーティーとP.シュレーダーのコンビ、深夜のNYを徘徊する病んだ主人公、とくりゃタクシードライバーの救急車版!ちょっぴりシカゴのERっぽいとこ期待したけど、なんじゃこりゃー。気持ち悪りぃぞ、ビョーキ男N.ケイジ。オバケが見えちゃうからって、休んだり遅刻したり。元ネタは「タケチャンマン」だったのかー。3日めは突然ギリアムのラスベガスをやっつけろ!になっちゃってビックリ!パロディとゆーかパクリとゆーか、撮り方から曲までそのまんまじゃん!製作費3200万ドル、スコセッシ遊びすぎに注意。

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4/2/日比谷映画(Dolby Digital) Lake Placid
U.M.Aレイク・プラシッド
('99),82min.★★
Fox2000 Pictures presents from Phoenix Pictures, a Rocking Chair production, a Steve Miner film, SFX:Stan Winston Studio, Lindala Make-Up Effects, Visual Concept Engineering (VCE) , Digiscope, Digital Domain

S.マイナーにしては多めの?2700万ドルの低予算映画。しかし侮ってはいかん。脚本がデビッド・E・ケリーなのだ!しかもアニマトロニックなワニの制作はS.ウィンストン、VFXはデジタル・ドメインとP.クーラン率いるVCEと大作級。キャストもB級とは思えない豪華さ。これで尺が82分!面白くないはずがないっ!と思ったが、面白くないっ!ドラマや設定はいらんのだ。しかもワニが弱すぎる。執拗なワニの攻撃に、悪役がからめば面白くなるのにね。ワニを殺すの殺さないの言ってる場合か?昨年のアナコンダを見習ってほしい。

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4/1/シャンテ シネ1(Dolby Digital) October Sky
遠い空の向こうに
('99),108min.★★★★★
Universal Pictures presents, a Charles Gordon production, a Joe Johnston film, SFX:ILM,Matte World Digital

1年分は泣いたなぁ〜。よかった〜!大感動!あぁ、なんて素敵なストーリーだろう。もー、こーゆー話大好きよぉ。あったかいよぉ、たっまんねーなあー。ロックン・ロールの時代、10月の夜空を横切るスプートニクに魅せられた主人公。ロケットを打ち上げるってのを核に、父と息子の確執が縦糸、仲間のロケットボーイズが横。田舎の炭坑町を背景に、彼らに夢を託す女教師、支援へと傾く母親。次第に見守る人たちも増えていく。「がんばれー」って一緒に応援したくなる。実話とは思えないくらいお約束の要素が揃ってて設定も申し分ない。時にコミカルでありながら、後半は感動場面の釣瓶打ち!シーンを思い出しても涙がでてきちゃう。発射装置の変遷も隠し味。そして打ち上げのカタルシス。ガタカもそうだった、夢を象徴するようなロケット雲。洗練されたセリフ、無駄のないシナリオも起伏がお見事、J.ジョンストンの演出も情感豊かで人物描写もキメ細かい。今回は珍しくFX控えめだが、メイキングもチェックすると面白い。

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3/18/日劇プラザ(DLP) Toy Story 2
トイ・ストーリー2
('99),92min.★★★★★
Buena Vista International presents, Walt Disney Pictures/Pixar Animation Studios production, Directed by Ash Brannon & John Lasseter

アジアでは日劇プラザただ1館というDLP方式は、ハードディスクのデータを上映する、フィルム・レスな最先端のデジタル・システム。トーキー化以来の革命。見た目映像は確かにキレイクッキリだが、フィルムを遙かに越えるっゆー域ではないものの、ホコリやキズや劣化がない、映写条件が均一化できるなど裏のメリットは大きい。さて、本編前にダイナソーの予告クリップで圧倒される!んでもって、IMAX3D風の演出で始まる本編。あのキャラたちに再会できた喜び。スターウォーズやね。そして新キャラたち。見所いっぱい、楽しさ一杯テンコ盛り。こんなに夢中になれる映画はなかなかない。自由度の高いCGIアニメならではのハラハラドキドキも多かった!特に道路横断と飛行機はスリル満点。1作目ほどじゃないけどめっちゃ面白かった!人とおもちゃの関係をしっかり描いてて、新キャラ・ジェシーのエピソードも泣ける。背景もキャラも小綺麗すぎるけど、何よりも、アニメーターがアニメートした芝居の素晴らしいこと!これに一番感動した。だからピクサーのアニメは大好き!アカデミー受賞のチェス爺やバービーたちの動きにも惹かれるよ。製作費9000万ドル。

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3/8/渋東シネタワー(Dolby Digital) Sleepy Hollow
スリーピー・ホロウ
('99),106min.★★★★★
Mandalay Pictures presents, a Scott Rudin/American Zoetrope production, a Tim Burton Film, SFX:ILM, Kevin Yagher, Computer Film Company

これなのよ、これっ!古き良きハマーやAIPが蘇ったようなテイスト!白と黒を強調して、彩度を抑えた色彩もいいし、シルエットも美しい。画調、衣装、美術、霧、怪しいプロップ、これら怪奇映画の要素にダイナミズムが加わる。横位置で死人の木からホースマンが飛び出すカッチョよさ!首を叩っ切るのも1カットで見せる!ゴシックな香り漂うクリスティーナ・リッチのカトリーナ、C.ウォーケン、M.ランドー、そしてC.リー!怪奇っぽいキャスティングも嬉しい。製作費6500万ドルは無駄にしてない。日本語サイトもあり。

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3/6/渋谷パンテオン(Dolby Digital) magnolia
マグノリア
('99),187min.★★★
Newline Cinema presents, a Joanne Sellar/Ghoulardi Film Company production, a P.T.Anderson Film, SFX:ILM, XFX

偶然にもニューライン3連続となった。アルトマンのショートカッツ風群像劇だが尺が長すぎるっ。ステディ・カムの多用とリズミカルな編集で惹きつけられるけど、話が暗いから疲れるよ。冒頭3エピソードは嘘っぽさが軽快で、以後のホラ話のマクラにはいい。本編は作家と警官とクイズ番組の3本柱のようだけど、警官をやめて作家をもっと掘り下げたいほどいい題材。T.クルーズもブリーフ1枚で快演。リスペクト・ザ・コック!やっぱりブギーナイツのアンダーソンだね。こーゆーのは力入ってるけど、アトの話はありがちでもういいって感じ。L.ベッソンは魚の雨を降らせたが、アンダーソンはクライマックスで蛙の雨を降らせた。な、なんだとぉ〜!製作費3700万ドル。

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3/4/恵比寿ガーデンシネマ(Dolby Digital) American History X
アメリカン・ヒストリーX
('98),120min.★★
Newline Cinema presents, a Turman-Morrissy Company production, a Tony Kaye Film

製作費1000万ドル、98/11月にE.ノートンによる120分版をファイナル・カットとして米国公開。監督のT.カイは自作と認めていない。ストーリー展開で動機付けが弱いので、共感しにくい。もっとすげー映画かと期待したんだが、あっさりしてて特に目新しいテーマではないし差別批判でもない。それどころか黒人=悪として描かれている点は問題でしょ。白人側がナチズムでもバランスとれないよ。じゃあなに?エドワード・ノートンのプロモーション・ムービーだ。特にかっちょいいのは、黒人を踏み殺して逮捕されるまで。

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3/1/シネセゾン渋谷(Dolby Digital) Cookie's Fortune
クッキー・フォーチュン
('99),118min.★★
Newline Cinema presents, a Mad Chance production, a Robert Altman Film

1時間も待ったので、すっかり眠くなってしまった。うーん、アルトマン作品としてはまぁまぁだろうか、今回はこじんまりした仕上がりだ。お得意の人物配置が今ひとつ。人物はいつもより少な目だから、濃いのとフツーとでキャラクターが両極端すぎると、かみあいにくいんだろうなぁ。どっちかってーとイカレてる方が面白いんだけど、あの姉妹のイカレ度は凄すぎだぞ。キーワードは「釣り仲間」だ。

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3/1/シネマライズ(Dolby Digital) Buena Vista Social Club
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
('99),105min.★★★★
a Road Movies production in association with Kintop Pictures and Arte, a Film by Wim Wenders, Produced by Ry Cooder

シネマライズ開館以来最大のヒットなんではないか?平日の昼だっつーのに、長蛇の列でびっくりだ。予告編の間も係員が客の誘導に懸命だ。ヴェンダースが全編ステディ・カムのデジタル・ベーカムで撮ったドキュメンタリー。色やサウンド・ミックス、編集はずば抜けて素晴らしく、忘れられていたキューバの老ミュージシャンたちに魅了される。ボーカルのじいちゃん、すっげーチャーミング、クツ磨いてる場合じゃないよなー。92歳のコンパイは元気で満面の笑顔が素敵だ。ピアノのジイさんのカッコいいこと!体育館で子供達の中で弾いてる姿と、カーネギーで弾いてる姿。この人のピアノ、ずっと見てたい!超渋いのはベースのおっちゃん。犬塚弘もかなわねーや。こんな素敵な人達と演れて、ライ・クーダー親子もすっごい嬉しそう!サイドカーで登場ってのもカッコよすぎる。→日本語サイト

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2/27/東劇(Dolby Digital) The Astronaut's Wife
ノイズ
('99),109min.★
Newline Cinema presents, a Mad Chance production, Rand Ravich Film, SFX:VIFX, Rhythm and Hues, Sony Pictures Imageworks

ノイズちゅうても問題出すわけじゃなくって、そりゃクイズ、原題は「宇宙飛行士の妻」となっている。ローズマリーの赤ちゃんで、悪魔をエイリアンに置き換えた話。悪魔の受胎の地球版?地味で展開につながりがなく、B級テイストに新鮮味もない。しかも嫌いな説明口調なんで、眠ってしまった。2分間の謎解きの面白さもないし、J.デップが帰還後も変わってねーじゃん。タイトルロールのカミさんすら気付かんしね。さてエイリアンは何しに来たの?何を企ててるの?それは続編で明らかに、ってか。まるでTVシリーズの第1話って感じだが、製作費3400万ドル。

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2/27/シャンテ シネ2(Dolby Digital) The 13th Warriors
13ウォリアーズ
('99),102min.★
Touchstone Pictures presents, a Crichton/McTiernan production, a John McTiernan Film, SFX:Buena Vista Imaging, Cinesite Hollywood, Digital Phenomena

製作費8,500万ドルのマクティアナンの映画に、原作クライトンがケチをつけて自ら追加監督、泥沼の仕上がり。こーなるはずじゃなかったんだろーなー。セットやモブにお金かけてるんだけど、画調が暗くてわかんねー。合戦シーンも夜だったり雨だったりで、何やってんだかよーわからんし、眠ってしまった。てっきり怪獣退治の話かと思ってアルゴ探検隊を期待したんだけど、七人の侍だったのね。でも13人は多すぎてキャラが立たない。敵が何者なのか、なぜ13人が戦うかまったくわからん。原題は13番目の戦士でバンデラスのこと。

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2/27/日比谷映画(Dolby Digital EX) The World is not Enough
ワールド・イズ・ノット・イナフ
('99),128min.★★★
MGM presents, Albert R. Broccoli's production, Directed by Michael Apted

こんなに混むとは…やっぱり観てしまう007。オバサンの客が多いな。12,000万ドルもかけて今回もドリフ的エッセンス満載のスパイ・コント集に仕上がっていて笑える。ボンドって、登場しただけで笑いを誘うから得ですなー。ブロスナンはまたまた志村けんを彷彿させてノリノリ。冒頭ボートチェイスは水ぶっかけの上、街中走っちゃうし、診断書書かせるために女医をヤっちゃうし、敵味方のボンドガールにそれぞれS.マルソー、D.リチャーズのおトボケ女優を配した上(もちろん、この2人もヤっちゃうし)J.クリーズまでレギュラー入りしてコメディ指向ますます濃厚。敵役で適役のR.カーライルもギャグかまして好演。このセンスはさすが英国、ハリウッドじゃ作れないね。

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2/11/東京IMAXシアター(SDDS) Three Seasons
ファンタジア2000
('99),75min.★★★★
Buena Vista International presents, Walt Disney Pictures production, Directed by James Algar & Gaetan Brizzi, VFX:Rhythm and Hues

すっげー混み混みで驚いた。製作費8000万ドル。いきなり、ディズニーでなくスティーブ・マーティンが出てきて驚いた。さすがにIMAXはド迫力。でも技術的にはターザンが上だし、もろCGIってのがやだ。特に最初のはタイクツだし、クジラのやつとか鉛の兵隊は斬新さはないし、CGもやらしい。でもでも、ドナルドが出演した「ノアの箱舟」と最後の「火の鳥」の2本は圧巻で、これだけでも観る価値十分!特に焼き尽くされた大地が再生するシーンや、トナカイと妖精の描き方などが素晴らしい。「魔法使いの弟子」はやっぱブローアップ版だった。

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2/5/シネマカリテ(Dolby) Three Seasons
季節の中で
('99),108min.★★★★
October Films presents, Directed by Tony Bui

現代のベトナムをスケッチしながら、いくつかのストーリーが並行して語られ、それが昔の日本映画のような題材で味わい深い。中でもダオ様と蓮娘のエピソードは秀逸。なんと言っても、ベトナムロケの生々しさと美しさが心に残る。シクロ乗りと娼婦のロマンスはちょと笑っちゃうけど、「ホテルが増えれば日陰も増える」ってセリフが的を得てんのよ〜。見所は、カイテルの泣き芝居!

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1/5/日劇プラザ(Dolby Digital) End of Days
ターザン
('99),88min.★★★★★
Buena Vista International presents, Walt Disney Pictures, Directed by Chris Buck, Kevin Lima

おぉ〜!キャメラが、キャメラがぁ〜!ジャングルを自在に駆けめぐるキャメラワークは夢が現実になったことを実感。アニメーションでは不可能だと思われていたこと。マルチプレーン撮影台を発明したディズニーの技術革新。前後だけじゃなく、ぐりんぐりん!あまりにも素晴らしすぎる。誰もが知ってる話を新しいアプローチで描いた傑作。冒頭の火と海からして感激もの。ターザンがジェーンにオウムを見せるシーン、ジェーンの覚えた唯一のゴリラ語で残留を伝えると、みんなが喜ぶシーン。まだまだいいシーンがたっくさんある!ターザン自ら自宅を見つけられなかったことと、サボーとの格闘で、胸に「燃えドラ傷」をもらったのに消えてしまったことが残念。制作費は破格の15000万ドル。メイキング詳細はここ

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1/4/日本劇場(Dolby Digital) End of Days
エンド・オブ・デイズ
('99),122min.★
Beacon Pictures presents, a Peter Hyams film, SFX:K.N.B. EFX Group, Stan Winston Studio, Rhythm & Hues, Blue Sky|VIFX, The Chandler Group, Centropolis Effects, Stirber Visual Effects Network, Hunter Gratzner Industries

制作費1億ドル 。でもつまんねー。G.バーンやU.キアは実にいいんだが、シュワは違う。やっぱC.ランバートないと。自分が守れなかった娘の遺品と同じオルゴール持ってたってだけで、サタンのターゲットの娘を命がけで守ってしまうせこさ。でかいスケールの背景がありながら、娘を一時期かくまえばいいだけの話で。壮大な神とサタンの戦いはどこ?サタンだって、でっかいカマ持ってないし、クリーチャーだもの。そこだけで大騒ぎしてて、世間は関心がないところがゆるい。しかし、カット割りの多いこと。マイケル・ベイかと思った。サウンド・ミックスだけはやたらいい。

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MOVIE REVIEW REVIEW1999