December 02, 2020

Flashアニメの未来『羅小黒戦記』

新宿バルト9
昨年、『羅小黒戦記』観たとき、日本語吹替で上映するべきだと書いたのですが、あれから1年。日本語吹替版での公開です。しかも単館じゃなく、全国で拡大公開です。

日本語吹替版

2020年11月7日公開。字幕が読みにくかったのでこれは嬉しい。上映館はこちら。配給にアニプレックスが加わって、タイトルが『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) 僕が選ぶ未来』になってます!第23回文化庁メディア芸術祭では「アニメーション部門審査委員会推薦作品」に選出されました。劇場によっては特別音響上映や4D上映も行われます。

興行

興行ランキングでは、公開初週でいきなり8位、2週目も8位キープ、3週目で5位に浮上。ほとんど宣伝もなく、twitterでのクチコミだけでこの大ヒットぶり。3週目には劇場パンフ完売。4週目は6位、5、6週目は10位。なんと6週連続で興行TOP10入りの快挙でした。アニメ!アニメ!の2020年一番好きな劇場アニメ総選挙では『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』『Fate/stay night』『鬼滅の刃』に次いで4位でした。2021年1月末には興収5億円突破のロングラン。

観てきた

12月1日は年に1度の映画の日。日本語吹替版観てきたよ!昨年の字幕版は字幕が読みにくくて話が入ってこなかったけど、実はよくできた話だった。妖怪じゃなくて妖精だった。テーマは人間との共生。自然破壊によって妖精の棲家を奪った人間との向き合い方と対立。ラストバトルの市街戦前に、人間を避難させる描写がちゃんとある。大スクリーンにFlash作画でガシガシ動くのを堪能した。鉛筆ツールの線ってだけでも親しみ100倍!よく動くよ!トゥイーンじゃなく作画で!しかも撮影でFXかけて盛ったりしない。透過光も最小限。かつて日本が得意だったこと。3Dも控えめに使ってます。逃げる人々のモブとか無数のガレキに。Flash作画より目立つことはないです。背動カッコいいし。Flashで作画アニメやるんだーってパワーがビシビシ伝わるー。日本語吹替版エンディングが追加されてて、イメージボードのスライドショーが付きます。

4位

新型コロナウイルスの影響下の2020年、「アニメ!アニメ!」はアニメ総選挙を実施。2020年一番好きな劇場アニメで『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』、『Fate/sn[HF]』、『鬼滅の刃:無限列車編』に次いで4位に『羅小黒戦記』がランクインした!

冒頭シーン

頭っからしばらくセリフなし。動きだけで描かれてます。

メイキング


FLASHアニメの未来

そーいえば11年前の今日は『戦場でワルツを』を観たんだった。アカデミー賞にノミネートされた唯一のFlashアニメ映画だけど、ほぼカットアウトの会話劇で、動きを楽しむものじゃなかった。その後も世界でFlashアニメ映画は作られ続けて11年。Flash終わりと言ってるやつらに観てもらいたいね。現役のFlashアニメーターはもちろん、Flashと共に生きてきたFlash好きなみんなもね。
すごいのはコレ作ったの、プロのアニメ屋じゃないからね。アニメはFlashで覚えたってゆー、WEB自主アニメ出身の子だから。監督のMTJJのセンスもいいけど、下地は大好きな日本のアニメを研究して真似して、Flashだからモノにできたわけで。でもって5年かけてじっくり満足いく作品作ったと。それにしても出資会社の多いこと!そんで中国・日本で大ヒットして2作目にとりかかる。次作も絵を動かす喜びを見せて欲しい。リッチを求めてAEのFXや3Dに走らないでほしいな。

Blu-Ray

2021年7月9日発売。通常盤と完全生産限定版がある。後者は描き下ろし缶バッジ2個セット付きで特製ブックレット(縮刷版パンフレット+スタッフ描き下ろしイラスト集)、日本語吹替版アフレコ台本、オリジナル・サウンドトラック、日本語字幕全3種・再現収録。映像特典は初日舞台挨拶、PV・CM集を収録。さらに店舗別特典がある。

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Posted by A.e.Suck at December 2, 2020 12:02 PM