June 13, 2011

カートゥーンギャグ辞典

定本アニメーションのギャグ世界

定本アニメーションのギャグ世界


森卓也(著)
アスペクト(ISBN: 978-4-7572-1537-5)
1978年に奇想天外社から出た名著「アニメーションのギャグ世界」の増補復刻決定版。手塚治虫に「アニメの生き字引」と称された森卓也氏ならではの情報の多さは絶大。クラシック・カートゥーン黄金時代の集大成ですよ。タイトルに「アニメーション」てついてるけど本文では「短編漫画」または「漫画映画」です。その昔、映画とセットで上映されてた劇場用短編の全盛期。ディズニーやフライシャーはもちろん、MGMのテックス・エイヴリー作品や「トムとジェリー」、ワーナーの「ロードランナー」「バッグス・バニー」などから多くのギャグや元ネタの紹介と解説は必見です。すんごい記憶力と情報量!

「トムとジェリー」全話解説は、LD-BOX用に書かれたお宝的資料。あらすじではなく解説なのよ!ここ大事。子供の頃、近所の映画館で「トムとジェリー」数本をセットにした番組を観たけど「トムとジェリーの大行進」だったのか。それにTVで繰り返し見た印象から吹き替えにこだわりたいんだけど、森卓也氏は「オリジナル原語で見ろ」と強調する。輸入LD-BOXで原語版見たけど、やっぱ八代駿・藤田淑子・谷幹一の声がないと寂しかった。でも、この解説読むと原語で見たくなる。MGMのプロデューサー、フレッド・クインビーが目立ちたがりなだけの堅物ビジネスマンだったなんて他に誰も教えてくれないよ。

日本の人形アニメーションの草分けMOMプロの誰も知らない盛衰史など興味深かった。新収録された「ロジャー・ラビット」「ウォレス&グルミット」「ベルヴィル・ランデヴー」「ポニョ」ピクサーアニメなど通の視点での映画評も鋭くて信頼できる。巻末の「アニメーション50選」なんか、YouTubeでチェックだな。やはり、リアルタイムで長年見て、記録してきた著者に叶う人は他にいないでしょう。アメリカの最もいい時代のアニメーションを知るには唯一最適の本です。勉強にも刺激にもなりますよ。オレの地元の大先生だけに、ローカルネタにも共感できたりした。

Posted by A.e.Suck at June 13, 2011 12:01 AM