April 15, 2014

実は凄い、SWF

SWFは終わらない

Flashはオワコンとか死んだとか言われたりします。Flashと言ってもいろいろありまして、そのへん紛らわしいのでフラッシュってなに?で書きました。オワコンなのはFlash Playerで再生するWEBコンテンツ(SWF)のことでしょう。しかし、Adobe Flash Proで作ったコンテンツ(Flashアニメ)はまだまだこれからなんです。だってビデオやHTML5でいいんだから。じゃあ、SWFの役目はほんとに終わったのかってーと、そうでもないんですよ!

Flashで作るフェイクキャメラ

ちょうど10年前になります。MAX 2004 Japan「Flashアニメーションテクニック:フルスロットル」用に制作したサンプルアニメ、懐かしいですね〜。そのムービーとFLAや絵コンテなどのダウンロードはこちらから。ぜひ10年前のFLAをチェックしてみてください。さて、このライブラリを再利用してこんな6秒のムービーを作りました。キャメラが空中を進んで中央の建物に寄るまでのシンプルなフェイク3Dショットです。↓SWFです↓Swiffyはこちら
タイムラインはこうなってます。Flashにはカメラというオブジェクトがないため、擬似的なキャメラの動きを全部トゥイーンでやってます。てゆーか、CS4以降の3DじゃなくてもCS3以前でもできちゃう。2Dアニメの世界ではマルチプレーンという伝統的でリッチなテクニックです。
Flash
これをビデオに書き出すとこんな感じ。上のSWFと同じです。

まあ、これでもいいんだけど、こーゆーキャメラワークってAEが得意なんですよね。ビデオならば、Flashで完結しなきゃいけない理由はないでしょ。アニメ業界でスタンダードな撮影ソフト、それがAEことAfter Effectsです。そこで、FlashからレイヤーごとにSWFを書き出して、AEに読み込むのが普通です。ポストのCGプロダクションにSWFを送るでしょ、CG業界では馴染みがないファイルだから「ナニコレ?」的な印象です。でも、その軽さと奇麗さにAE使い達は驚きます。それで改めて「ナ、ナニコレ!」これ、Flashのファイルです。

Flashで作ってAEで仕上げる

AE CS3でSWFが読み込めるようになって以来、Flash作画を取り入れたTVアニメ業界ではスタンダードなフローになってます。ハイ、SWFは今後も活躍し続ける理由はここにあります。AEに渡すFlash素材はSWFにするとお得なんです。連番PNGだとファイル数が膨大で重く、書き出しに時間がかかるでしょ、それにラスターだとAE内でどうにもできない。例えばトランスフォームとか荒れちゃうし。SWFだとそのへん全部解決。書き出しも受け渡しも速くて軽くてラクラクです。AEのタイムラインにSWFを配置して3Dレイヤーにし、カメラレイヤーを追加しました。
AE
で、レンダーキューでビデオに書き出します。3Dレイヤーにカメラレイヤーでスッキリさっくり。先のFlashバージョンと比べてみましょう。

マジキャメラですがAE任せなのでラクちんです。Flashだと手付けなので、深度や動きの表現で嘘をつけるのはありがたいけど、作業はそのぶん複雑になりますよね〜。

SWFのパブリッシュ設定

パブリッシュ設定最後に、AE用SWFのパブリッシュ設定について。まず、当たり前だけどHTMLはオフね、不要なので。で、肝心なSWFのパブリッシュ設定なんだけど「非表示レイヤーを含める」のチェックは外しておくと、レイヤー別にSWFを書き出すときに便利です。書き出したいレイヤーだけ表示してパブリッシュすればOKなので。それから、Flash CS4〜CS6からパブリッシュする場合は「XMPメタデータを含める」のチェックを外しておこう。デフォルトだとオンになってるので気をつけてください。FlashのXMPはAEにうまく伝わらないようで、不具合を引き起こす可能性があるらしいぜ。

Posted by A.e.Suck at April 15, 2014 11:50 PM